【傷だらけの悪魔】普通に喋ってほしい【第273話までネタバレ】

傷悪ってどんな話なんだろう。

どんな物語も一言で説明できると思うんだけど、傷悪はそうではない。

最初は舞がざまぁを食らう話だと思っていた。でも舞は優里亜グループに反撃した。

 

ざまぁじゃないなら復讐モノだ。優里亜を黙らせたから、あとは詩乃に集中して終わり……と思ったらそうでもなく。

優里亜グループに反撃をした舞だが、反撃の反撃をされる、堂々巡りが始まった。

当麻と伊藤も絡んできたりで、とてもじゃないが詩乃には集中できない状態に。復讐モノとは言えない状況だ。

 

なら今度は何が始まったか、ハーレムだ。しばらくの間、優里亜と詩乃が離脱、唯と女の子の絡みが続いた。

唯云々の感想は前にも書いたのでここでは詳しいことは省くが、とにかくすごい脱線してた。

 

ならば群像劇だろうか。

傷悪の醍醐味のひとつはサブキャラを深く掘り下げるところだ。近藤千穂、大瀬戸翠、栄千翔子……過去編はどれも深い話である。

しかし優里亜、当麻、唯など一部のキャラが目立ちすぎだ。群像劇とは言い難い。

勧善懲悪ではない物語、と思っていた時期もあるけれど、ここでもやはり優里亜、当麻、唯の存在が引っかかる。彼らはどれだけ悪いことをされても許される傾向にあるので勧善懲悪とは言い難い。

 

ではなんなのか。きっと、折り合いをつける話だ。

舞は優里亜や詩乃、当麻、伊藤と。優里亜は静や恵那と。千翔子は詩乃と。折り合いをつけようとしているんじゃないかと思う。

でもその割にはみんな口が悪すぎる。

 

まず、舞。謝罪した大倉くんに対しての言葉がこれ。

「ごめんとか言われても アンタのことなんて眼中になくて気にしてなかった」

引用元:第223話

協力者を得られるかもしれないタイミングでこの言い方。媚びるの上手かったのにどうした。

大倉君も花房兄もこれでよく舞に協力しようと思ったな(花房兄は言い方を指摘したけれども)。

近藤さんも今回(第273話)、とても口が悪かった。

「はぁ? まだそんなこと言うの? 余程認めたくないんだね」

引用元:第273話

加えて性格の悪そうな顔をしていた。以前の千穂ちゃんを思うとこのチンピラっぷりはとても悲しい。

 

彼女たちが折り合いをつけようとしているのはよくわかる。でもそれなら頼むから普通に喋ってほしい。みんな口が悪いから喧嘩ふっかけてるようにしか見えない。

舞は伊藤にいらぬ喧嘩をふっかけて先生が駆けつけるような大騒ぎを起こす(第257-260話)。文化祭で企んでることあるのにそんな目立つことしていいのか。市川先生、感付いてるようだったけど阻止されたらどうするつもりなんだろう。

当麻も恵那に「自分の自尊心をいじめで保ってんの?」とかよく言える。仮にも大好きな優里亜の友達だぞ、大好きな優里亜すぐそこにいるぞ。

 

喧嘩腰vs喧嘩腰で折り合いなんてつけられるのか。もしかしたら折り合いをつける気なんてさらさらないのかもしれないけども。

これではいつまで経っても堂々巡りだ。みんな相手の言い方にカチンときて相手と同じような言い方で反論して、言い返したら相手もまたカチンときて……と売り言葉に買い言葉を繰り返している。