映画「白ゆき姫殺人事件(原作:湊かなえ)」の感想 赤星雄治が情けない

原作とは違った印象もあって面白かった。以下、人物ごとに感想。ネタバレ注意です。

 

各登場人物の印象

三木典子

原作では裏表の激しい美人、良いところもある、という印象だったが、映画では三木典子の死を悲しむ友人たちが出てこない、城野美姫も同情しない、100%ワルい美人として描かれている。

菜々緒さんが演じるっていうのがまた恐ろしい。人の服を真似するシーンとか、原作だと服そのものが気に入っただけだと思えたのだけど、映画だと嫌がらせ目的に見える。そのくらいイヤな三木典子だった。

 

八塚あかね

三木典子とは対照的に映画では100%悪人と思えなかった人。

夕子に嫌がらせをしたのは、近所のおばあさんたちが「夕子ちゃんは永沢一のべっぴんさん」と話していたのをたまたま聞いたから、ではなく、同級生に面と向かって「でも、夕子ちゃんのほうが綺麗だよね」と言われたから。

こんなの、流石に歪む。鏡の前で呆然と立ち尽くす姿が悲しい。

 

課長

目立たないけど好きなキャラ。

三木典子がお茶っ葉ばっさばっさ入れるシーンで「城野さ~ん! お茶淹れて!」。それを聞いた三木典子が不服そうなのを察知して「典子さんはお客様にお茶を運んで」。フォローがきちんとデキる素敵。デスクトップをお子さんにしてるところも好感持てる。

ギスギスした世界でオアシスのような人。

 

谷村夕子

すごい美人だった。子供の頃も美人だった。

誰も信用できない白ゆき姫~の中で、夕子だけが本当のことを言っているように思え、その姿かたちはより美しく映る。

映画は城野美姫と夕子が確かな友情を確認し合う、救いのある結末だった。

 

赤星雄治

原作で見えなかった顔がよく見えるので、今回、特に注目した人。

一言で言うと、情けない。他社にすっぱ抜かれる可能性もあるかもなのにSNSに情報平気で流すし、夕子にペコペコしてるし、城野美姫の父親に突き飛ばされるし土下座してるし、「赤星雄治・無関係」だし……なんかもう、いたたまれない。

終いには散々コケにした城野美姫を城野美姫だと気付かず愚痴をこぼし、励まされ、ちょっと嬉しそうな顔を浮かべる……。同僚だって相手が城野美姫だって気付いてるのに、ほんと情けない。