「寄生獣 セイの格率」の感想

新一がミギーと同化していくように、私も新一と同調していって怖くなった。

例えば島田が新一の高校で暴れたとき。死体の海と化した廊下を平然と歩いてきた新一にモブ男子生徒がおぞましいものを見る目を向けるのだが、一瞬なんでそんな目をするのかわからなかった。

それもそのはず、人が大量に殺されたのにあんな平然としているなんてありえないのだ普通は。怖がるモブ男子生徒こそ普通の人間の反応なのだ。

 

私はアニメ10話分を経てすっかり新一の反応が普通に感じるようになっていた。

だって犯人はパラサイトだし。死体の海くらいできるでしょ、と思った。

 

しかし不思議なことに田村玲子が死亡した後は新一が人間らしさを取り戻したように私もだんだん人間らしい感想を持つようになった。

例えば市役所襲撃。

パラサイトに間違われて射殺されるとかたまったもんじゃないと思ったし、誤射された人の遺族可哀想とかいるかもわからないモブの家族に思いを馳せたりもした。

 

最後も新一と同じ気持ちだった。ミギーがいなくなるのは寂しいけど、きっとどこかにいるんだよね、と思えた。

いやでもやっぱり新一とずっと一緒にいてほしかったかも。あいつは可愛い右手だった。